隈研吾氏デザイン サステナブルな家具「AKANE」を エストレージが製作・監修
2024年5月18日にパリ日本文化会館で和歌山県の魅力を世界に発信するイベントが開催。
和歌山紀州産の木材を使い隈研吾氏設計/エストレージ 製作・監修した家具「AKANE」が フランス・パリでお披露目されました。
今回は「AKANE」についてレポートします。
持続可能な社会をめざして
2022年に和歌山県と隈研吾建築都市設計事務所は「建築デザインの力による 地方創生の実現に資する包括連携協力に関する協定」を締結しました。
建築デザインの力で、地方創生(持続可能な社会)をめざしています。
このAKANEの製作もその取り組みの一つです。
虫食い材を価値あるものに
AKANEは、和歌山県の県産材である「アカネ材」を使用しています。
アカネ材とは「スギノアカネトラカミキリ」の幼虫が樹木の一部を食べ 、 その痕跡が表面に現れた木材のこと。
木材の一部に虫食いの跡があるため、市場にあまり流通するものではありません。
今回、その虫食いの跡を一つの個性としてとらえました。
欠点材として捨てられるはずのアカネ材にデザインを加え、新たな価値を生み出す。
環境の時代に、資源を有効活用して製作した家具。それが「AKANE」の椅子です。
【 AKANE 】
– Option.1 –
– Option.2 –
このAKANEを製作・監修したエストレージ 木﨑はこう語ります。
デザインと強度の両立
「材料によって虫に食べられた後の形状は異なります。デザインのアクセントとして、どの箇所の虫食い跡を見せるか。 アカネ材の魅力をいかに引き出すかを大切にしました。
そして食べられた後の穴が大きすぎると椅子の部材として強度が保てなくなる。
安全性も考慮しながら、どの部分をどこに使用するかを一つひとつ検証し製作しました。」
座ったときの心地良さ
「そしてもうひとつ、大切にしたこと。それは、座ったときの心地よさです。まずアカネ材がもつ質感を感じられること。そして背面やアーム(肘の部分)や座面に座るときや立ち上がるとき、からだに触れる木部の角が触っても痛くないこと。そのために、緩やかなR形状の面取りに仕上げています。」
日本のものづくりを世界の人々へ
「今回、フランス・パリで発表したAKANE。もともと日本には、ものを捨てずに大切にあつかう文化があります。“ もったいない ”に象徴される、ものを大事にする日本のサステナブルをAKANEを通して多くの方々に感じていただければと思います。」
エストレージは今後も地域に寄り添い、持続可能な社会の現実に向けた取り組みを進めていきます。