相模女子大学の学生の家具製作体験
以前、オーダー家具製造の過程で出る廃材を活用した家具製作で、アップサイクルへの取り組みに協力した、相模女子大学 学芸学部 生活デザイン学科 柴田研究室の学生8名との、新しい取り組みをご紹介いたします。
今回は、学園内の図書館「ライブラリー・カフェ」を明るく、快適な学びの空間にする、ソファーのデザイン、制作にご協力させていただきました。
学園内にある図書館2階の「ライブラリー・カフェ」には、どこかで使われていたような、古い大きなソファーが2つと椅子が置かれているだけで、学生たちが寛ぎ、学ぶ場所として好んで使うスペースとして活用されていませんでした。
そこで、柴田准教授の研究室では、学生目線の新しいアイデアで家具をデザインし、機能性だけではなく快適で、楽しく学び、寛げる「ライブラリー・カフェ」を作ることにしました。
自分たちの大学施設をより良くするためのデザインを作成
学生の皆さんがデザインしたものは、三角形のテーブルとソファー。このデザインのポイントは、それぞれが単体でも使えて、自由に並べ方を工夫して組み合わせることで、使い方や利用する人数にもフレキシブルに対応できること。
そして、幾何学な形状の家具を置くとことで、「ライブラリー・カフェ」のインテリアをおしゃれな空間にすることでした。
このデザインを実現するために、エストレージは設計、製作のサポートさせていただきました。まずは、学生の皆さんが考えたデザイン案を、再現する設計図面を作成。
特にこの三角形のテーブルやソファは座面だけでなく、すべての面が体に触れるため、内側には触り心地が良くするため、全面にウレタンを貼るような設計に。
このように安心して快適に使えるよに、座り心地や耐久性を考えた構造や素材選定などの、アドバイスをさせていただきました。
製作体験を通じて、もの作りの魅力を実感
また、学生の皆さんが、実際にソファやテーブルの制作作業を体験するワークショップも企画。エストレージの協力業者の工場で、ソファの内部構造にウレタンを貼る作業や、カバーの縫製作業を実際に行いました。家具職人の作業を間近に見ながら、機械や道具に触れる体験を通じて、ものづくりの難しさや楽しさも感じていただけたと思います。
このように、学生の皆さんが企画、デザイン、製造の工程を一通り体験をして完成させたソファとテーブルを「ライブラリー・カフェ」に納品することができました。
デザインのコンセプトでもあった、使い方や利用する人数にもフレキシブルに対応できるおしゃれなソファとテーブルができたことで、「ライブラリー・カフェ」は利用しやすいスペースに変わりました。
実際に自分の手で素材の感触、機械の音や振動を感じながら製作した家具で、コミュニケーションの場の雰囲気を変えた経験の中から、さまざまな気付きを感じていただけました。
学生の皆さんの声
お忙しい中、お時間をとっていただきましてありがとうございました。私は大学生になる前から家具や建物に興味があり、今回このような体験をさせていただけたことをとても嬉しく思います。
特に三角ソファーにウレタンを貼り付け、成形をしていく作業を拝見して、ウレタンを付ける前の木の段階は思っていたよりも小さいことに驚きました。そのようような発見をすることができてとても良かったです。
大学では授業を受けているだけだと、このような体験をすることはできないので、実際に目で見て、体で体験することができて、とても良い経験をすることができました。ありがとうございました。
ウレタンを切る体験と縫製の作業を実際に作業させていただきました。ただ見ているだけでは、簡単なことのように思っていましたが、体験させていただいて思っていた以上に、集中力と技術が必要で、特にミシンの作業は授業で使っていたものとは違い、調整が難しく苦戦しました。
貴重な体験をすることができてとてもよかったです。
全てが新鮮でした。今まで学んでこなかった分野だったので、余計面白かったです。
「このイスはどういう構造なんだろう?」「この机はどう作られているんだろう?」と考えたことがあっても実際に調べることもなかったので、不思議でした。
私は今までデジタル系を学んでいたので、とても新鮮でした。触れてこなかった貴重な経験だったので楽しかったです。今度から、大切にイスに座ろうと思いました。
また、やりにくい形、作りにくい形でもやろうと思い行動に移し、実際にやるともの作りは楽しいんだなと思いました。思い描いたものを実現する楽しさを知りました。ありがとうございました。
今回はみんなで一つのものを作ったけれど、一人でオリジナルのものを作ってみたいなと思いました。一つひとつこだわって作ったら愛着がわいちゃうと思いました。
柴田准教授のコメント
デザイン→ワークショップ→完成品という一連の流れを体験させて頂けた事は貴重でした。ワークショップでは、普段見ることのないソファの内部構造を確認させて頂き、更に作業のお手伝いもさせて頂き参加学生全員が非常に楽しんでいました。
また、学生生活において、各自がデザインしたものが実際の空間に置かれ、他者の利用を見ることはなかなかない経験です。様々な形で初めての貴重な体験をさせて頂き、よりデザインの面白さを感じてもらえたと思います。
これからも家具製作を通じて、もの作りの魅力を伝える機会を作っていきたいと思います。